糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症とは、成人の第ニ位の失明原因です。
これだけ聞くとすごく恐ろしい病気です。だけど眼科医なら自分がこの病気で失明すると思っている人はおそらくいないと思います。

先天的に幼少期、青年期から発症する糖尿病患者さんを除けば、ほとんどの糖尿病網膜症患者さんは後天的要因により発症しています。
病気の存在を知っていて放置していた方、内科に通院するも食事ダイエットをしない方などが実際目立ちます。
いずれにしても糖尿病治療をしっかり受けない方・治療に対しやる気のない方は、我々眼科医ががんばって治療しても病気は必ず進行します。
糖尿病網膜症とはカメラで言うフィルムである網膜に異常をきたします。
網膜が腫れたり(浮腫)、網膜を栄養する血管が詰まったり、網膜の前に出血のかたまりができたり(硝子体出血)して視力が低下します。

治療

治療は初期段階で視力も良好であるなら糖尿病治療だけで十分です(例外もあり)。
視力に影響が出ているレベルになれば、もちろん糖尿病コントロールが基本になりますが、眼科的な治療対象になります。
網膜へのレーザー、抗VEGF薬眼内注射、眼内手術(硝子体手術)が主な治療です。
その治療の選択も大切ですが、治療を受ける時期は同じくらい、いやそれ以上に大事なことです。

糖尿病の方へ

あらゆる病気に当てはまりますが、早期発見早期治療が何より大切です。
糖尿病だと診断されれば一度は眼科を受診すべきだし、たとえ糖尿病網膜症が発症していても適切な治療を適切な時期に受ければかなりの方は救われます。
糖尿病患者のみなさん、一度眼科に受診してください。
私はこの病気を専門分野の一つとして経験を積んできました。
セカンドオピニオンでもかまいませんので、不安なことや聞きたいことがありましたら喜んで相談にのらせていただきます。
硝子体手術の進歩により眼内出血や網膜はく離の成績は良くなってきていますが、黄斑の腫れ(黄斑浮腫)が難治であり、その治療に限界を感じることが多いのは事実です。